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小説 -4-「近大マグロ仕掛人の逆転ブランディング」

2026年08月16日 コラム

今回から題名をマイナーチェンジさせていただきました。
―前回から続く―

私は少し身を乗り出して言った。
「その答えが、『ブランド』なんや。」
「ブランド……。」
「でも勘違いしたらあかんよ。」
「はい。」
「ブランドいうたら、高級品や有名企業のことやと思ってない?」
「……思ってました。」
「ヴィトンとか、エルメス、ベンツとか。」
「そうですよね。」
私は笑いながら首を振った。
「実は、それはブランドの結果であって、本当の意味やない。」
「えっ?」
「ブランドとは、『選ばれる理由』なんよ。」
美咲さんは少し黙り込んだ。
「選ばれる理由……。」
「そう。」
「値段やない。」
「品質だけでもない。」
「『あの会社がいい』『あそこなら安心』『あそこに頼みたい』と思ってもらえる理由。」
私はテーブルの上に置かれた会社案内を手に取った。
「美咲さん。」
「はい。」
「この会社には、選ばれる理由がいっぱいある。」
「そうなんですか?」
「あるよ。」
私は笑顔で答えた。
「ただ、それがまだブランドになってへんだけや。」
美咲さんは会社案内を見つめながら、小さくつぶやいた。
「ブランドって、有名になることやないんですね。」
私はうなずいた。
「ようやく入口まで来ましやん。」
そして私はコーヒーを一口飲んで続けた。
「じゃあ次は、『ブランド』という言葉そのものの意味から話しましょか。」
美咲さんは大きくうなずいた。
「はい、お願いします。」
美咲さんは身を乗り出した。
「お願いします。」
私は机の上にあったメモ用紙を一枚取り、ペンを手にした。

―続く―